2018年4月23日 (月)

新国立劇場《アイーダ》

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新国立劇場の《アイーダ》を初日と最終日に見てきました。

平成10年に開場記念として上演された時は、客席がすごく盛り上がって、みんな立ち上がって前のほうへ押し寄せ、20~30分のあいだ拍手が鳴り止まなかった記憶がありますが、今回はわりと冷めたノリでした。もうみんな何回も見て、見慣れてしまったのでしょうか。
私はすごく興奮して、凱旋の場を見ながらどんどん心拍数が上がってきて、このまま客席で死ぬのじゃないだろうかというくらい感動しました。同じ演目でよくこんなに何回も興奮できるものだと自分で感心するほどです。

職場の若い人たちに、今度の新国の《アイーダ》は絶対に見てね、高いとか言わないでそれだけ元手がかかっているんだから、絶対ね、と言って回ったのですが、それで
・見る人
・やっぱり見ない人

に分かれ、さらに
・見て感動する人
・見ても感動というほどではない人

に分かれるのでした。

私なんか開場記念の時まわりの人に吹聴されて3回も見て、それに飽き足らずフランコ・ゼッフィレッリ演出の別の演目を見るために海外まで行っちゃったのですから、まんまと思う壺にはまったという感じです。
開場記念の時、「《アイーダ》はやればやるほど赤字だから二度と上演されることはない絶対に」と聞かされたものですが、5年ごとに再演され、今日までよくやりましたよねえ。
「初演時の舞台装置は自らの重みで銚子の倉庫の中で朽ちた」と聞きました。本当かな。初演時の舞台装置はイタリアで作って船で運んで来たものだけれど、再演時の舞台美術は日本で作ったものだと聞きました。幕内の噂がどこまで本当なんだか・・・。

今回、アムネリス役のエカテリーナ・セメンチュクにたいへん感動しました。特に第4幕第1場。(初日よりも最終日のほうが数段、優れていた)
暗がりの中、同じ布であるにもかかわらず時に金色に時に漆黒にと色を変える衣裳を着て、姫君のあられもない、檻の中の猛獣のように歩き回り、取りすがり、泣きわめくアムネリス。どんなに権力があっても思いどおりにならぬ恋。そして王女と神官の対決。
「王と聖職者の対決」とか「呪い」というのは、台本作者が変わっても通奏低音のようにヴェルディ作品の根底に流れている。つまりそれがイタリアということだろうか?アムネリスは女である分、表現が生々しい。
セメンチュクは、客席のほうぼうを何箇所も指さして、呪いの言葉を叫んでいた。「この呪いなら本当に効くかもしれない」と思った。呪いには「効く呪い」と「効かない呪い」があると思う。何がそれを分けるのだろうか?

世界的に見て、ゼッフィレッリ演出の舞台は、どんどん上演されなくなって減ってきている。新国の《アイーダ》を初めて見た時から、そうなるだろうと思っていた。
新国の《アイーダ》は5年後にまた再演されるだろうか?

2018年4月13日 (金)

春の院展

先日、日本橋三越で開催されていた「春の院展」を見て来ました~。
本当にたくさんの絵が展示されていて、それぞれに良いのですが、その中から抜け出て、見る人の記憶に残る絵を描くのは大変なことですね。
でも、こんなに大勢の人が絵に時間と情熱を注げるのは素晴らしい。

日本美術院同人の方々は、やはり一般枠の人とは格が違うように思いました。私は特に吉村誠司さんと大野逸男さんが好きなのですが、今回は中村譲さんの「朝の潮騒」と齋藤満栄さんの「秋暁」が印象に残りました。

しかし今回、私が一番好きだった絵は加藤厚さんの「叢風」でした。素晴らしい。人物画では王培さんの「尋芳」が良かったですね。

2018年4月12日 (木)

新国立劇場「1984」

新国立劇場主催の演劇公演「1984」を見てきました。
ジョージ・オーウェルの著名な小説を舞台化したものですが、舞台用に脚色されている部分もあります。私は小説は読んでいないのですが、先日、文庫本を購入してみました。いつになったら読むか、それは私にも分からない。先日買ったアレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』もまだ読んでいない。これまでに自分で購入した本を全て読むことが出来たならば、素晴らしい自分が完成するはずなのですが…。

この時期に「1984」の舞台版が上演されるというのは、たいへん時宜にかなった出来事でありました。すごい企画力だ。今年の演劇界の一番の話題作かもしれない。

拷問の場面がエグい、エグすぎる…。見ていて体調が崩れるくらいエグい。
遠藤周作の『沈黙』をマーティン・スコセッシ監督が映画化した『沈黙-サイレンス-』でも拷問の場面がリアルに視覚化されていましたが、映像にすると拷問の場面が強く印象に残り過ぎる嫌いがあるように思います。
(『沈黙』は、小説を読んだあとに映画を見ました)
舞台は映画よりもさらに迫力があります。
小説を読んだ人が、それを視覚的に追体験するために向いた舞台なのではないかと思いました。
面白いとかつまらないとかいう感想は当てはまらないような、特別な体験でした。ああ怖かった。

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