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2008年3月21日 (金)

玉三郎×昆劇

坂東玉三郎 中国・昆劇 合同公演

2008年3月20日(木)13時 南座

●音響が私の好みと全く相容れないタイプのものだったので、あまり楽しめませんでした。私が思うに、たぶんこの昆劇というものは、もっと小さな劇場で上演する芸能なのではないでしょうか。裏声でずっと歌い続けるような芸ですから…。南座は大きすぎて、あからさまなスピーカー使用が聞いていて疲れました。照明や舞台美術も、もっと小さな劇場向けのものだと思う。

●私は昆劇も京劇も見たことがないので、よく分かりませんけれども、杜麗娘を演じた若い2人の昆劇役者は、まだ芸が熟していないように見受けられました(姿は意外と綺麗でしたけど…)。見せ場を活かしきれていないと言いますか、この役はもっと良い役のはずなんじゃないか、と思ってしまいました。春香役の方が一番良かったかな。

●玉三郎さんは、舞台での存在感が際立っていました。「牡丹亭」の最後の方に、オペラのアリアみたいな大きな見せ場があり、この役をやってみたかった気持ちも分かります。

●「楊貴妃」は、中国語に直した曲が良かったですね。(でも拡声しすぎで楽しめませんでした。)

●プログラムを買ったのですが、「牡丹亭」に関する解説は、これでは全然足りないと思いました。昆劇の歴史、芸の特徴や、楽器の紹介、さらに詩章の全文対訳を載せるくらいしてもいいのに。詩の面白さも、字幕で初めてパッと見るのでは、せわしなくて把握しきれない。「草のしとねに花の眠り」だったかな、結構良さそうな感じだったのだけれど…。とにかく、「杜麗娘」という役名にルビを振らないようなプログラムは全く駄目だと思いました。

■午後1時開演だったので、午前中は南禅寺に行ってみました。三門、南禅院の庭園、方丈を拝観。沿道の桜のつぼみが丸くなっていて、あと10日遅かったら桜が見頃だったのに、と残念に思いました。東京に住んでおりますと、なかなか「見頃の京都」を訪れるのは難しいですね。私は3年間ほど関西勤務だったことがあり、京都見物をしまくる絶好のチャンスだったのですが、そのとき私は強力な仕事人間だったので、暇がありませんでした。これまで13年間働いてきて、仕事が本当に楽しかったのはその3年間だけです。物事は思うようにはいきませんね。

■この日はたまたま春分の日だったのでお彼岸の法要があり、南禅寺の檀家の方々(?)がお堂で般若心経をあげていました。何だか珍しいものを見て得した気分。南禅寺にも檀家さんがいるのか…と、当たり前のことに驚いたりして。

■私は、たまに近所の神社にお参りに行ったり、部屋に出雲大社のお札をお祀りしている以外は、特定の宗教を信仰することもなく過ごしている。実家の菩提寺が何宗だったかも思い出せないほど。南禅寺にも、ただ建物や襖絵を見に行っただけなのだけれど、寺や神社や教会を見に行くのなら、そんなことではいけない…ような気がしました。

■それでも、宗教心と関係なくても、「建物が美しい」というだけで人が集まってくることもまた事実なのでした。

■終演後は、昨年の大晦日にスイスのチューリッヒ歌劇場で知り合ったSさんと、鍵善良房のくずきりを食べに行きました。日にちを合わせたわけではないのだけれど、同じ日に南座だったんですね。

■そのあと1人で、京都伊勢丹の中にある美術館「えき」KYOTOで「フランス近代絵画名作展」を鑑賞。ひろしま美術館所蔵の素晴らしい名画の数々を、すいている館内で見ることができました。全く知らなかったモーリス・ド・ヴラマンク「雪景色」と、アンリ・ル・シダネルの「離れ屋」に特に感銘を受けました。ゴッホ最晩年の名作「ドービニーの庭」も公開されていました。3月30日までですので、行ける方はぜひ。

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