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2011年5月30日 (月)

METライブビューイング《イル・トロヴァトーレ》

METライブビューイングで《イル・トロヴァトーレ》を見てきました。
以下、感想を記します。(シュルレアリスム風感想)

●廻り舞台を使ってスピーディな舞台転換を行っていましたが、舞台が廻るたび次に現れるセットはどれも全て監獄のようでした。
《イル・トロヴァトーレ》は、身分が高い人と、低い人との恋愛が描かれている作品だと思いますが、今回の演出は低い人ばかり描かれていたみたい・・・。

●そんなところに寝転がっちゃ汚いよレオノーラ・・・。

●ふとした瞬間に、ホヴォロストフスキーの顔が布施明に見える時があった。

●ふとした瞬間に、アルヴァレスの顔がティラノザウルスに見える時があった。
肉食、絶対肉食系。

●Marcelo Álvarezは、vaってなっているけれどヴァとは発音せず、バが正しいと読んだことがありますが、松竹の表記はアルヴァレスなのだった。(なぜ他と同じ表記にしておかないのだろう?)

●私はホヴォロストフスキーの名前が覚えられない。いま、映画館で配られたタイムスケジュールを見ながら名前を打っている。最初ホロストフスキーと覚えたのだけれど、途中で表記が変わって、脳が覚えることを拒否してしまったようである。
METの来日公演でもホヴォロストフスキーと表記されるのだろうか。
ちなみに、東京三菱UFJなのか、三菱東京UFJなのか、どちらが正しいのかも覚えられない。途中で変わると、どうでもよくなる気がする。

●西洋にはなにか、「監獄の中の男を助けに行く女」という物語の系譜があるようだが、それでレオノーラはレオノーラという名前なのだろうか。レオノーラ?レオノーレ?レオノーレは男装の名前?レレ?レレレのレ~。
監獄の中の男を助ける女といえば、エボリ公女もそうであった。監獄のドン・カルロを助けたのは、結局だれだったのだろう?エボリ公女?ロドリーゴ?ひょっとしてエリザベッタ?まさかフィリッポ?フィリッポはその場にいながらなぜカルロを見逃すのだろう?
(答えは次回!)

●METライブビューイングでは、幕間にスターの素顔が見られるのが楽しみなのだが、「こんな素顔なら見なけりゃ良かった」と思うこともたまにあるのだった。
スターって、何でも見せる必要はないと思いませんか?
親しみやすい必要なんてないでしょう。
親しみやすいのはスターではありません。近づきがたいのがスター。
実際はカップラーメンを食べることもあるけれど、カップラーメンなどは食べそうに見えない、そういうふうに見えないのがスターなのだと松任谷由実はむかし言っていた。

●司会のレネエ・フレミング(←張り合って私も独自表記)が、何度も「この作品はストーリーが複雑で」と言っていたが、複雑というよりも、「荒唐無稽」「支離滅裂」などと言ったほうが良いのではなかろうか。(それが悪いと言っているわけではない)
歌舞伎も明治期に、内容が荒唐無稽だからというので「演劇改良運動」が起こったわけだが、歌舞伎は何も恥じることはない、世界に冠たる演劇です。

●「行かないでおくれ!」と引き止める母さんを振り切って恋人のもとへ!
数秒前まで愛をささやいていた女を捨てて命がけで母さんのもとへ!
結局、母さんのほうが大事だったのか?
おおマンリーコ、それは母さんじゃない、お前の母さんじゃないのだ。
知らないまま死んでいくマンリーコ。
知らないのは幸せなことだろうか?
全てを知っているアズチェーナ、
何にも知らないマンリーコ、
一同驚愕のうちに幕。

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3 オペラ・公演の感想」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。はじめまして。
昔の記事に今ごろコメントをつけてすみません。

2年前からオペラに目覚めた初心者なので、
いろいろな方のブログを拝読して勉強させてもらっています。

このライブビューイングは私も去年の夏のアンコールで見ました。
それにしてもふくきちさん、文章がとってもお上手ですね。
最後は爆笑してしまいました!

それから今年6月死去されたゼッフェレッリさんと
昔お会いになって、お話された記事もよかったです。
すばらしい思い出ですね。


コメントありがとうございます!
METライブビューイング・・・久しく見に行っておりません。生の舞台を見るのに忙しい状態です。
オペラは、一度好きになってしまえば長く楽しめますから、いいですよね。
生の舞台は今のうちにいろいろ見ておいたほうがいいと思いますよ!

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