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2015年5月 4日 (月)

ダ・ル・マ・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ

大阪の国立文楽劇場で、7月下旬から8月の頭にかけて「夏休み文楽特別公演」が行われます。公演タイトルがなぜ「夏休み」で何が「特別」なのか、私にはよく分からないのですが・・・。その時期って普通の人は夏休みなんですか?
第1部で『東海道中膝栗毛』が上演されるのだそうです。この演目、私は見たことがありません。大阪でしか上演されない演目なんですよねえ。なぜなのだろう?夏狂言なのでしょうか。

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の書名は学校で必ず習いますし、漢字で書けないと大学に入れないと思いますが、そのくせ中身については何も知らない。やはり弥次さんと喜多さんが同性愛の間柄というので学校では教えられないのでしょうか?
『源氏物語』でも『伊勢物語』でも、一番面白いところはスケベエなので学校では教えてくれないんですよね・・・。
『源氏物語』を読んだことがある人は周りに結構いると思うのですが、『東海道中膝栗毛』を読んだという話は聞いたことがない。(江戸時代は逆であったろうに)
古文の授業って、平安の作品に偏りすぎていないでしょうか?もっと手前の江戸時代の文章を日本人が読めないのでは情けない・・・。

私は昔からずっと「膝栗毛」とは何のことなのだろうかと思い続けていました。ふと思い立ち、ネットで検索してみたらwikipediaに意味が書かれていました!

ウィキウィキ!
「栗毛」は栗色の馬。「膝栗毛」とは、自分の膝を馬の代わりに使う徒歩旅行の意である。

す、素晴らしい・・・。何かもう、分からないのが当然のように思い込んでいた言葉の意味が、こんなとし(43歳)になってから判明するなんて、としをとるのはステキなことです、そうじゃないですか。

「膝栗毛」とは、十返舎一九が考えた言葉なのだろうか、それとも江戸時代の普通の言葉なのだろうか。私は、徒歩旅行を「膝栗毛」と呼ぶ感覚を愛す。

『本朝廿四孝』の中に「張良」という言葉で出てくるのです。私は昔、この「張良」について調べたことがありました。図書館に行って、いろいろな本を探し、図書館の係の方にも伺ったのですが、たいしたことは分からなかった。ところが今は、ネットでちょっと検索すれば様々な情報が出てきて、それは玉石混交ではあるでしょうけれども、昔は石でさえ出てこなかったのですから、時代は変わったなあと思う。玉をつかむ若者によって、日本は変わっていくだろうか。

話はくるっと変わって、今年は小林清親の没後100年なのだそうです。いきおい清親の作品を見る機会が増えるわけですが、横浜美術館、芸大美術館、太田記念美術館、練馬区立美術館でたくさんの作品を拝見しました。特に火事の様子を描いた版画は衝撃的でした。清親は火事の様子を夢中で写生して、帰ってきたら自宅も火事で焼けていたのだそうな。江戸の火事って、すごかったのでしょうねえ。生で見てみたかった、なんて言うと不謹慎ですか。(日本の文化は火事と戦争でずいぶん燃えてしまいました)
清親はもちろん版画が多かったのですが、肉筆画もあって、大川の白魚漁を描いた掛軸に感動しました。「三人吉三」の風景って、こんなだったのかなあと思って。小梅の風景を描いた版画もありましたよ。
それから、達磨と遊女が衣服を取り替えて立っている一軸も面白かった。達磨は「面壁九年」、遊女は「苦界十年」というつながりで一緒に描かれることが多かったと解説パネルにありましたが、達磨と遊女が一緒に描かれた絵はこれまであまり見たという記憶がない。
これまたウィキによれば、達磨は「中国禅宗の開祖とされているインド人仏教僧」だそうです。壁に向かって九年間も座禅していたので手足が腐ってしまったのだそうな。(伝説)
そう言えば、達磨が壁に向かって座禅をしている絵を見たことがある。(雪舟が描いた「恵可断臂図」)
人間って、使っていない機能は急速に衰えていくんですよね。入院して2か月くらいベッドで生活していると、歩けなくなってしまうと聞いたことがあります。たった2か月で?と驚きましたが、リハビリしないと歩けるようにならないのだとか。9年も座禅していたら、手足も腐りますかねえ。(達磨に手足がない理由って知っていましたか?)
そして私はもう九九が言えない。学生の頃は、そんな自分を想像したこともなかった。使わないものは忘れるでしょう。

そうして人間は、としをとるにつれて自分の性質が濃くなっていくのだろうか?

遊女は苦界を抜けることはできないけれど、達磨は座禅をやめようと思えばやめられた。でもやめなかった。だから達磨というのは意志の強さの象徴なのだな、ということが分かった。こんなとしになるまで知らなかったんです。達磨のことは子供の頃から知っていたのに。

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