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2018年10月14日 (日)

魔笛

新国立劇場で、新制作の《魔笛》を見てきました。

私が《魔笛》を生で見るのは3度目でした。
最初に見たのは、新国立劇場で《魔笛》が初めて上演された時だったのではないかと思います。はっきり分からない。誰が何の役を歌っていたのか、全く記憶にないのです。記録を見ると、新国初演時の指揮は大野和士さんだったんですね。よっぽど《魔笛》がお好きなんですね。

私の記憶では、最初に見た時、ザラストロがモノスタトスに対して「お前の心は肌の色と同じで真っ黒だ」と言い放ち、私はその字幕に深い心の傷を受けました。なぜこのような作品が現代において上演されているのかと不思議に思いました。
まあしかし、手塚治虫の漫画でも、黒人を古いステレオタイプの絵柄で描いているものがあり、手塚治虫だって現代に生きていたらそのような描き方はしないだろうけれど、死んでしまって修正できないのだから仕方ないなとは思うのです。当時はそんなふうに捉えられていたんだなあと思いながら読めばいいのでしょう。

パパゲーナが最初に出て来た時はお婆さんのふりをしていて、途中で若い娘だと分かってパパゲーノが大喜び、というのは感じの悪い話だなとずっと思っておりました。

今回の上演では、セリフがカットされたのだか台本が整理されたのだか分かりませんが、そのような嫌な感じがだいぶ薄まっていました。(黒人差別のセリフはなかった)
でも女性蔑視の印象は変わらず残っていました。
モーツァルトの音楽が乗っている部分かどうかで、変更出来るところと出来ないところがあったのでしょうか・・・。

今はYou Tubeでアリアの聞き比べが気軽に出来るので、夜の女王のアリア「復讐の心は我が胸に燃え」をいろいろな歌手で聞いてみました。完全無欠であろうと思ったエディタ・グルベローヴァは、意外と歌い崩している感じがしました。私の印象では、楽譜の通り完璧に歌えているのはナタリー・デセイくらいではないかと思います。モーツァルトはなぜ誰も歌えないような前打音を入れたりしたのでしょう?
そして声の音色、役柄の威厳など、総合的に見て一番いいなと思ったのは、クリスティーナ・ドイテコムでした。
「誰が歌っても大して違わないアリア」だと思っていましたが、連続して聞き比べると、違うものですね。

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3 オペラあれこれ」カテゴリの記事

コメント

「大野和志さんが新国立劇場のオペラ芸術監督に着任」の記事を朝日の夕刊で読みました(2018.10.13.夕刊)。日本は世界標準になっていないみたい。経営担当に『どうでしょうか』と聞く立場だそうです。決定権が無いのでは大変ですね。
 昨日の日曜日(10.14.18h~)、神尾真由子さんのバイオリン演奏を聴いて来ました。ご存知の様に神尾さんは2007年のチャイコフスキーコンクールの覇者です。今回はリサイタルではなく、美術館の展示会でのミニコンサート(「ストラディヴァリウス300年目のキセキ展」at森アーツセンターギャラリ)でしたが、ストラディヴァリウス(以下ストバリと略)21挺(1679年~1736年製作)を同時展示し、期間中展示品のストバリと、演奏家とが日替わりで生演奏が行われました。神尾さんは、①1718年製ストバリ「サン・ロレンツォ」を使って、マスネ作曲「タイスの冥想曲」と②1731年製「モーラン、ルビノフ」を使ってワックスマン作曲「カルメン幻想曲」を弾いたのです(ピアノ伴奏 三又 瑛子さん)。いずれも素晴らしい音色の響きでしたが、特に②は神尾さんが常日頃使用しているストバリであることもあり、テクニックも音楽性もまことに見事な演奏でした。無心に演奏している姿に一種の神々しさを感じた。絵になりますね。その他面白かったのは、コンピューターを使って、仮想三か所の場所でのストバリのヴァーチャル演奏音の作成に関する技術者対談セッション。さらに再現精度を上げるには「スーパーコンピューターが必要」とのこと。採算の合わない計算、研究は民間では出来ないでしょうから、科研費のとれる国立大学や国研で、科学的、音響学的なストバリのサーチが可能だったらいいのにナーなどと思いました。


東京では新国立劇場以外にもたくさんオペラをやっていますから、オペラファンはそれなりに楽しんでいるのではないでしょうか。

ヴァイオリンは、使用楽器によってずいぶん音色が変わりますね。今も職人さんが探究しているみたいですけど、あまり話題になりませんね・・・。

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