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2018年12月 7日 (金)

坂東玉三郎トークショーその6

11月14日に金沢で行われた玉三郎さんのトークショーに行ってきたわけなのです。

このトークショーは、「妙成寺五重塔建立400年記念」として行われたものでした。妙成寺は、長谷川等伯の2幅の絵を所蔵しているそうですが、そのうちの1つ「仏涅槃図〔ぶつねはんず〕」が舞台に登場しました。客席から距離があるので、細かいところまで見えるわけではありませんでしたが、妙成寺のお坊さんが「絵解き」をしてくださり、大変貴重な機会となりました。
(むかし私は、和歌山県の道成寺で、清姫伝説を描いた絵巻の解説を聞かせていただいたことがあります。そういう機会はなかなかありませんね)

涅槃図は美術館でよく見ますけれども、今回のお坊さんの解説で初めて知ったこともありました。
仏さまが亡くなることを「入滅〔にゅうめつ〕」と言いますけれども、入滅の際に仏さまが頭を北向きにしていたことはよく知られています。私の親は「北枕は縁起が悪い」と言って、北向きに寝ないようにしていました。幼い頃から聞いていますと、私もやはり自然と、寝る時の方向が北にならないか気にするようになっていました。涅槃図において仏さまは当然、北向きに寝ているわけですが、妙成寺のお坊さんの解説によると、「頭は北向き、顔は西向き」と決まっているのだそうです。「西方浄土〔さいほうじょうど〕」と言って、極楽は西の彼方にあるからでしょう。極楽がなぜ西の方角にあるのかと言うと、仏教がはるか西から伝わって来たという点も日本人にとっては重要な要素だろうかと思いますが、仏教の起点である仏さまが西を向いていたというのは、「太陽が沈む方角」「物事が終わる方角」を表しているということなのでしょう。方角は、それぞれ意味や特徴や力や作用といったものを持っていると感じるのです。みんな知っていることですけれどもね。

沙羅双樹が半分緑で、半分枯れているのは、生と死の境を表しているのだそうです。
沙羅双樹の枝に引っかかっている袋は、雲に乗って駆け付けた摩耶夫人が空から投げたもので、中に薬が入っているのだそうです。ここから医師が患者に薬を与えることを「投薬」と言うようになったと仰っていました。

等伯の「仏涅槃図」はかなり大きな絵でした。沙羅双樹のまわりに煙のようなものが立ちのぼっていて、それが緑がかった水色で、とても綺麗な色でした。遠くから見ても、それは分かりました。
等伯が使っていた顔料は良い顔料で、支援してくれる人がいたのだろうというお話でした。良い顔料は良い画家のもとに集まっていく、それは当然のことだと思いました。

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