サグラダ・ファミリア!
私が前回、海外旅行に行ったのは、2007年の暮れのヨーロッパ旅行。もうずいぶん前のことになってしまいました。(今年こそは海外旅行に行くのが目標)
その時、数カ国まわった中で、スペインのバルセロナにも行きました。
高校生のころ、学校が終わると友人と一緒にフラフラと小田原の街をうろつき、時間を潰したものです。本屋に入ることも多かったのですが、そこで見つけたガウディの写真集に心うばわれました。海外には、こんなすごい建物があるのか…とビックリしたんです。友人と、すごい、すごいって大騒ぎ。でも、実際に見に行くつもりは全然なかった。当時の私にとっては、あまりにも遠い世界のことだったんですね。
スペインのホテルに着くと、フロントで、「首絞め強盗に注意」という日本語のリーフレットを渡され、ひるみました。後ろからいきなり首を絞められ、気絶している間に荷物を奪われるそうです。治安が悪いのは知っていましたが…。
(現在もギリシャ、ポルトガル、スペインあたりは深刻な不況のため、旅行者を狙った犯罪が多いようです。)
それでも、美しいものがあったら行っちゃいますよね。
フローレス出演のオペラを見るためにバルセロナに行ったのですが、当然、サグラダ・ファミリアにも行きました。夜はオペラ、昼はガウディ。高校生のとき本屋で立ち読みした夢の建物、自分が生で見ることなどないと思い込んでいた建物にやって来て、感慨もひとしおでした。
それにしても、1883年ごろから造り始めて、現在も出来上がっていないというのは、どうなってるんでしょうね?
建物に近づいていくと、「あ、わりと出来上がってるんじゃん?」と思うのですが、よく見ると全然出来上がってないんです。(写真は全て3年ほど前のもの)
中から~~
空が見える~~~
ここは資材置場か~~~
これは、建設資金が足りないわけではない、…と思う。すごい数の入場者だったんです。その入場料は半端じゃないと思うんです。これは想像ですが、たぶん、貧しい人にまわしてるんじゃないかな…。もしそうなら、それはそれで、本来の教会の役割を果たしているのかも…。
開場時間が10時で、私は10時10分ごろ中に入ったのですが、上に昇るエレベーターに行列が出来ていました。私も昇りたいので並びましたが、50分くらい待ちましたかねえ。エレベーター1台だけで、1度に数人しか乗れないし…。でも待った甲斐あって、素晴らしい眺めでした。
昇りはエレベーター、下りは階段。下りルートは幾通りかあって、途中で外にかかる橋を渡るルートもあるはずなのですが、私は方向音痴なので、橋にはたどり着きませんでした。でも、螺旋階段を降りるだけでも楽しい。
祭壇のある区画は、地元の人しか入れないみたいでした。(隔ての壁がありました。)
本当に美しくて楽しくて、心酔しました。
それから、とにかく人が多くて圧倒されました。うじゃうじゃ。建物の周りを観光バスが何台も何台も取り囲んでいて…。中に入ると入場料を取られるので、柵の外から見ているだけの人も大勢いました。それは、信仰心っていうのじゃないんですね。誰も祈りを捧げたりしていないんです。祈る場所も用意されていないですし。ただ美しい建物を見たいだけ。それだけ。美しい建物には、これだけの人を集めるパワーがあるんだ、ということに感動しました。
日本の近代建築には、たいてい、そのようなパワーがありませんね。美のパワーが。国立西洋美術館、東京国立近代美術館、東京都美術館、江戸東京博物館、国立劇場、新国立劇場、東京文化会館、東京芸術劇場、NHKホール、建物の外で・中で、写真を撮りたいと思うような場所はありません。写真を撮ってる人なんて見たことないです。(中身で勝負?)
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