「ゴッドファーザー」 通し
2007年6月16日(土) Bunkamura ル・シネマ1
●このブログにも一応「映画」というカテゴリを設けていますが、私は映画をほとんど見ません。この1年を振り返ってみても、自分で驚くほど見ていない。もちろん「見たい」という気持ちはあるのですが、なかなか余裕がなくて…。しかし、生きているからには絶対に見ておきたい映画というものも確実にあります。「ゴッドファーザー」はその1つでした。映画館で見ることが出来て良かったと思います。
●3部作を1日で見て大変疲れました。朝10時30分から夜9時20分まで。入れ替えの時間が計1時間35分あるとはいえ、重い内容ですし、非常にハードでした。「こんな大作を1度に見るものじゃないな」と思ったり、「1度に見たからこそ良かった面もあったな」と思ったり。
●いまさら私が「ゴッドファーザー」の感想を書いても仕方ない気がしますが、自分の備忘録も兼ねて、いくつか書いてみます。まだ見たことがない方は読まないでくださいね。
●マーロン・ブランドの英語は全く聞き取れませんでした。あれを聞き取れるアメリカ人はすごいと思いました。
●3つの作品を比べると、本当に同じ人が監督したのだろうかと思うくらい雰囲気が違いました。物語の時代背景の変化も大きいのですが、それとは別に、作品の質感がそれぞれ違うように感じました。しかし、パート1のノリで最後まで突っ走られたら、私にはちょっと耐えられなかったかも。(パート1という言い方はしませんが、他に書きようがないので…。)
●もう、パート1はドキドキしっぱなしで、特にマイケルが単身で敵地に乗り込んで行く場面なんて、私の心臓はこれ以上は耐えられないよ~~って感じでした。ずっと「次は誰が死ぬんだろう…」ってビクビク。人間には、いろんな死に方があるのですね。
●パート1を見終えた時は、「さすが不朽の名作、素晴らしい!」と思ったのですが、パート2が始まったら、それほど面白くない…。途中で、「ひょっとしてこれは、壮大な蛇足なのではないだろうか」なんて思ってしまいました。もちろん、ビトがイタリアからアメリカに渡った経緯なんかは面白かったけれど、もし、このパート2が1作目だったとしたら、続きを見たいとは思わなかったかも。
●でも、パート3まで見たら「帳尻が合った」という気がしました。
●しかし、パート3のエンドロールに出てくるラブソングは、本当に蛇足だと思いました。でも、監督が一番やりたかったのはそのラブソングなのかも…などと思って最後まで聞きました。
●プログラムが販売されていなくて残念でした。(代わりに「RENT」のプログラムを買ってきました。日本語字幕が掲載されていた!)
●ニーノ・ロータの音楽は、ときどきプッチーニの《トゥーランドット》みたくなるのでした。
●《カヴァレリア・ルスティカーナ》は、うまく取り入れられていたとは思いますが、順番を入れ替えたりするのはいいとしても、「その曲の終わらせ方はないんじゃないの?」と思いました。しかし、それにしてもカヴァレリアの間奏曲のパワーはすごいですね。あと、エンドロールにゼッフィレッリの名前が出ていましたが、ゼッフィレッリのプロダクションだったのかな…?
●The Godfatherというタイトルが出てくるとき、先頭にMARIO PUZO’Sって付いてたんですね。原作・脚色がマリオ・プーゾという人なんですね。普通、そんなクレジット表記はしないと思うんですけど、一体どういう人なんだろう。どの程度が想像で書いている作品なのか…。
●マーロン・ブランドとアル・パチーノの「年齢の変化」の描写力は素晴らしいと思いました。
●子どもの頃には気にしたことがなかったのですが、「人間って年を取って、こういうふうに変化していくのね」っていう実例をいくつも見るようになり、ちょっと怖い。
●今回は特に、予告編の中にたまたま「おばさんになったクラウディア・カルディナーレ」が登場して、衝撃的だった。あした新国で《ばらの騎士》を見るのが怖い。
●パート2、パート3の終わり方が寂しくて…。人生とか運命とか親の影響力とか、いろいろ考えてしまいました。寂しい。
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