詩の時間

2016年7月12日 (火)

五段目ルーレット

あやしい不定期連載
~詩の時間~


「五段目ルーレット」

爺さんかもしれない
悪人かもしれない
猪かもしれない

誰に当たるか
誰に当たるか
五段目ルーレット

当たればイチコロ
外れてニコロ
何しろ玉は二つ玉

狙ったのは猪
外れたのは猪
予想もしない展開に
誰もが驚愕

飛び出せ干支の彼方へ
最速の駆け足で
今年のラッキーチャームはイノシシ
GO!GO!GO!GO!五十両
飛び出せ江戸の彼方へ
GO!GO!GO!GO!郷右衛門

あなたも知らず賭けている
五段目ルーレット
あなたの儚い人生も
五段目ルーレット

2015年10月31日 (土)

愛か死

あやしい不定期連載
~詩の時間~


「愛か死」

眠りましょう、眠りましょう
寝ている間は死んでるのと同じ
どんな悲しみも入り込めぬ聖域
眠りましょう、眠りましょう
朝はまだ遠い

明るい歌は役に立たない
悲しみの歌を繰り返して

眠りましょう、眠りましょう
朝はまだ遠い

好きな人から好かれないなら何だって同じ

涙、涙、涙、
夜は泣くための時間
集めた涙は川になって、海になって
雲になって、鳥になって

これずっと続くんですか

眠りましょう、眠りましょう
朝はまだ遠い

2014年7月31日 (木)

私はオフィーリア

あやしい不定期連載
~詩の時間~

「私はオフィーリア」

ある日、突然
私の脳裏に
「入水オフィーリア」という言葉が浮かび
そのまま離れなくなった
入水オフィーリア
入水オフィーリア
オペラ好きなあなたの脳裏にも、きっと
永遠に
永遠に

2014年1月26日 (日)

鼓動を聞く

あやしい不定期連載
~詩の時間~

「鼓動を聞く」

動いている
今も動いている
怠け者の私の胸に
生れてから一秒も休むことなく

それはおかしなことだろう

寝ている時も
忘れている時も
諦めた時にも

不随意に命を運ぶ
止まれと思っても止まらない
止まるなと思ってもいつか止まる
私の意に反して

私のものなのか
私のものではないのか
誰の命令に従っているのか
何の力が及んでいるのか
答えてはくれないのか
私の心臓よ

2013年11月20日 (水)

空耳のユーミン

あやしい不定期連載
~詩の時間~

「空耳のユーミン」

 

アルゴゴのあるオータムパーク
アルゴゴ、
アルゴゴ、
アルゴゴって何?
それはギリシャ神話か何かの
英雄の彫刻
池のほとりの彫刻
たぶん

 

恋をすれば何でもできる
不思議な魔法の力で
意地悪なこの鉄道、私きっと外してみせる
あなたを遠くへ運んでしまう鉄道
私きっと

 

あの人、変な癖があるの
夕焼けを見ると小さくなるの
小さくなってしまうの
夕焼けに小さくなる癖のある歩き方
ずっと手を振るわ私
ところで、あなたは誰?
君がダンデライオンで
歩けなくなるのは私
君は私なの?
そうなの?
あなたは君なの?彼なの?

2013年11月 6日 (水)

地中のダイヤ

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あやしい不定期連載
~詩の時間~

「地中のダイヤ」

変わるもの
変わらないもの
変えたいのに変わらないもの
変えたくないのに変わってしまうもの
知らぬ間に変わっているもの
願っても祈っても変えられないもの
たくさんの叶わぬ思いが
輝きもしないダイヤとなって
地中深く眠る

2013年10月22日 (火)

味噌汁の宇宙

ビッグバンのように味噌が広がっていく
椀の汁の中
ランチタイムの職員食堂
味噌汁の宇宙
ひょっとしてこの中に
私の知らない生命体が?
ひょっとして
ひょっとして

創造主は厨房のタケさん
私の腹で世界が終わる

2013年8月29日 (木)

おばさんは飴を食う

おばさんは飴を食う
おばさんは飴を食う
見ている舞台が
どんなに重要な瞬間を迎えようとも

弁慶が勧進帳を読み上げる時
花子がクドキを踊る時

おばさんは飴を食う

《トリスタンとイゾルデ》の前奏曲が始まる時
「誰も寝てはならぬ」が最高音にかかる時

おばさんは飴を食う

おじさんは仁丹
〔フリスク〕を食う
田舎者は小銭を数える

おばさんは飴を食う
おばさんは飴を食う
おばさんは飴を食う

2013年6月26日 (水)

5分間の天国

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朝、目覚まし時計の音で目覚める
死ぬほど眠い地獄
そういう名前の地獄
時計のアラームを5分ずらせば
そこからは5分間の天国
毎日くり返す天国と地獄

天国とは場所のことだろうか
天国とは時間のことだろうか
たどり着きたいと思っていても

2013年2月17日 (日)

「愛はダイアモンド」

歌われることのなかったエボリ公女のアリア
「愛はダイアモンド」

「負けた」ですって?
いいえ、負けません
私は誰にも負けません

ご存じないのですね
広い世界でたった一つ
誰にも売りはしない
愛はダイアモンド
ただであげるか
そのまま地中にうずめるか
二つに一つの宝物

値切られるのが心外で
リアルトの黄金
〔こがね〕に目もくれず
真珠を海へ投げ捨てた
気高き商人
〔あきんど〕のように

すでに完璧な花から
花びらをむしるみたいな
火遊びの恋はいらないの
全部でないならいらないの
覚えておいてくださいね
誰にも負けはしない
女の愛はダイアモンド
たった一つのダイアモンド

(原作戯曲『ドン・カルロス』シラー:著)

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